未就学児(3歳~6歳)の矯正治療について

ひだ矯正歯科 医院ブログ

日本矯正歯科学会認定医による、矯正歯科治療専門ブログ。症例の解説や治療についての考え方を公開。

未就学児(3歳~6歳)の矯正治療について

未就学児(3歳~6歳)の矯正治療の問い合わせがたまにあります。

 

かかりつけ医や他院の矯正相談時に「今すぐにでも始めた方がいい。」、「早く始めた方が早く終わる」、「遅くなると外科手術しないといけない。」

この様に言われると、親御さんは不安になりますし、早く治療してあげないと。と焦ってしまいますよね。

 

矯正治療の捉え方は様々なので、未就学児の治療開始は正しい・間違っているというのは難しいですが。

ただ、やはり未就学児の治療は、「早すぎます。」

 

早ければ良いわけでもないんです。

小児矯正治療開始の一般的な目安は「上下前歯8本と奥歯(第一大臼歯)が生え揃ってから」です。

そこからで十分治療は間に合います。

 

前歯の歯並びやかみ合わせは、永久歯に生え変わった時に治る可能性があるんです。

それなら、「治らない可能性もあるなら、早く始めても良いのでは?」などの意見も聞こえてきそうですが、そもそも乳歯列の時点で診断は出来ません。

「何となく歯並び悪そうだから治しましょう。」では、治療する根拠がないので、医療行為とは呼べなくなります。

 

「かかりつけ医から早く始めた方がいい。」と言われて当院に電話したのに、此方からは「まだ早い。」と言われると困惑する気持ちも十分に分かります。

ただ、乳歯の段階でのお口の中を見ても、「生え変わらないと、分からない。」という回答になってしまいます。

早くても「上下前歯4本と奥歯(第一大臼歯)が生え揃ってからご相談ください。

 

もし他院で未就学から矯正治療を勧められたら、「なぜ今行わないといけないのか?」これを質問してみてください。

明確な理由がなく、ただただ「今始めないと大変なことになる。」など脅される・不安を煽られることを言われた場合は、一度冷静になってください。

 

矯正治療は医療行為です。

医療は、脅されて行う治療ではありません。

 

小児矯正のよくある質問をまとめてあります。

ご一読頂けると幸いです。